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保護者の方々へ

料理をするときに、同時に温かいものを仕上げるために段取りを考える。

洗濯物を干すときに、物干しハンガーが偏らないように、どの洗濯物をどこにくっつけるかを考える。

このようなときに使っている【考える力】は、数学を学ぶことが身に着けるための一つの方法です。

一見、関連付かないとお思いかもしれませんが、高校での数学の学習は、このような考える力をつけるための一つの材料の面があります。

料理のときの、火力と時間の関係や、洗濯物を干すときの重心からの距離と洗濯物の重さの関係は、理科の知識なのですが、同時に数学で学ぶ関数の考え方も用いています。

​学問の数学(大学生や研究者の研究対象となる数学)は人類の進歩に大きな影響を及ぼしてますが、学校で習うものとしては、そもそも高級ですし、真理の追及の面が強いです。

高校で学習する数学は、学問としての数学を高校生用にアレンジしなおしている部分があります。

高校の数学の教科書には「~~であることが知られている」という表現が散見されますし。

では、考える力がどのように身につくかというと、その一つの面は、多角的に物事を見ることです。

関数の分野の土台は、関数とグラフの関連を身に着けて、一つの物事に様々な面からアプローチをかけることです。

数学Ⅱ・数学Ⅲとなると、その描いたグラフに対して図形的な問題と絡めていきます。

また、数学と算数の一番の違いは文字の導入です。

これによって、数字だと一つ一つにしか注目できなかったものが、全体の把握につなげることにつながります。視野を広げる力も身につけることができます。難易度は格段に上がりますが・・・。

大学入学共通テストは多くの文章を短時間で読み込んで、必要な情報と必要でない情報を選別しながら進める必要がありますが、それ以外の大学入試は、少ない文章で与えられた問題を長時間かけて解決していく力が求められます。

問題を見た瞬間にパッパッと解けることはほぼなく、これまで身に着けてきた力を結集させながら、少しずつ解答に近づけていきます。このような粘り強さも身につけることができます。

私自身、大人になって数学検定の受験を3回行いました。自分が教える立場だと、自分の感覚がマンネリになりそうなところで、検定試験の問題に取り組む修羅場を自分に与えるためです。結果は3回とも幸いしましたが、それ以上に試験時間が充実したものでした。

大人になってからも、学ぶ気持ちを持ち続けることは脳トレやアンチエイジングにつながると思っております。私が受検した数学検定の会場に、どうみても私より年上の人がいました。失礼ながら受験の検定級から専門家ではなさそうだったので、定年後に自分なりに数学の学習に励み、その成果を試そうとされていた人なのではないかと予想しました。素晴らしいことだと思います。

また、最近は情報過多の時代であり、どれが重要か取捨選択する能力も必要ですが、現実には多くの情報の中の一つをピックアップしているメディアや報道などを信じることが多くなってはいないでしょうか?物事を冷静にとらえて、的確に行動するためにも、数学の学習はその一つの助けになると感じています。

さて、お子さんの日々の学習の取り組みについてどのようにお考えでしょうか。

最近は、部屋に閉じこもっているから何をしているのか分からない、というのが多いかもしれませんね。あるいは、どうせスマホばかりいじって夜更かししているんだろう、という邪推が入っているかもしれません。

学校や予備校などでプロの説明を聞いたうえで、自学でそれを定着させるというのは、学習の基本であり、これからも変わることはないと考えています。

最近は、それが旧態依然という、全然具体的でない批判もあり、教える側も様々な工夫を凝らしていますが、それはあくまで説明時にどのような工夫ができるか、ということです。グループワークを行ったり、最近は全員が持っているタブレットを利用したり、ということで、本質的な枠組みは現在のところ何ら変わってはいません。

自学の部分も、生徒の側は宿題が多すぎると嘆き、保護者の側は宿題がないと何もしないからどんどん出してください、と言う。私も教師時代は、全員同じことをさせるのが嫌だったので、宿題はコース選択性(基本コース・応用コース、など)にしたりしましたが、自学を必須にする、という点では昔と同じです。理想は、自分で学習する内容を自分で選択することですが、​それができるほどの数学の理解力があれば、そもそも学習が必要ない、というニワトリとタマゴの話になってしまいます。

本教室は、画面上とはいえ、講師である私が受講生に対して直接語りかけるスタイルです。授業と違って、突然指名されて答えなければならないプレッシャーもありません。直接語りかけますので、難しいところや理解しづらい部分も、「あれ?」という形でお子さんに伝わりやすいと思います。そうすれば、自分のすべき学習内容も見えてくる、と期待するところです。

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