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私について

もともと、小学校の算数から好きな教科ではありました。それは幸いなことに途切れることはありませんでした。

ただ、得意かどうかと言われると、そんなにテストの点数が高いわけでもないのに、他に好きな教科もなく、何より数学そのものが嫌いになることがなかったので、得意だと言い張っていた、今から考えるとゾ~ッとするような感じが高校時代はあったように思います。

そのまま、大学希望進路を数学科にしたもののあえなく大学受験に失敗。一年間の浪人生活は、若さもあってか、特に受験直前期はあれほど勉強した時期はなかったと言えるものでした。いつしか、数学よりも物理の方が点数が高くなっていたのですが、数学科志望を変えることはなく、高校の時の先生の影響もあって現役時代からの第一志望校であった、東京理科大学理学部第一部数学科に合格することができました。

大学時代は、高校数学と大学数学のギャップに面喰い(そもそも、数学学習の延長としての数学科志望だったので)ましたが、まわりの友人たちとのたわいもない日常の環境にも恵まれ、大学2年生の半ばくらいには徐々に慣れていきました。大学卒業が近づくと、その後の進路を考えることになってきますが、数学をずうっと続けてきて特に変更するようなきっかけもなかったので、そのまま大学院への進学を志望し、就職活動も行いませんでした。

人生の転機は大学4年生の時に訪れ、【卒業研究】という授業があり、これは教授に教わるのではなく、自分で数学書を読み込んで内容を発表し講評をいただく、というゼミ形式の授業なのですが、これがどんなに準備をしても、教授からその背景・根拠・行間といったものを質問されるとまったく答えられない。他の研究室の友達はグループで順番に発表しながらだったのですが、私の場合は一人だったので(正確に言うと二人だったのですが、その友達と志望分野が違ったので、違う数学書が割り当てられ、実質一人でした)、毎週が修羅場の連続となり、自分の出来なさぶりに初めて数学が嫌になりました。

その矢先に行われた母校での教育実習が私のすべてを変えました。指導教官が高校の時の担任の先生だったのもあり、落ち着いた環境で実習を行えました。そこで自分よりも年下の約40名を相手にホームルームや教壇実習を行って、さまざまなキャラクターの高校生に触れたこと、高校の数学Ⅰの内容を久しぶりに学びなおし、授業の準備を一生懸命行ったものの、初回の授業では緊張のあまり「先生、黒板に授業をしてるみたいでしたよ」と温かく教えてくれる生徒たちに囲まれたこと、すべてが新鮮でした。教育実習をやって、教員志望を辞めたという話も多々聞いた中で、私の場合はまったく逆でした。

ところが、教員採用試験を受けていないどころか、準備もしておらず、どうしようかと思った矢先に、在学中の大学には、教育専攻での大学院があることを知り、あわてて準備に入りました。卒業研究の教授には頭を下げ、ゼミで取り扱う数学書を別のものに変えていただきました。自分には、数学そのものを深く掘り下げることよりも、それをかみ砕いて応用させることの方が向いていることにも気づきました。教育専攻の別の先生に、研究室所属として大学院入試を受けさせていただきたい旨をお願いに行き、師匠を変えるような形となりました。大学院の二年間で改めて教育を学びなおせばいい、といった気分でした。

教育実習中に、指導教官に言われた「いろいろなキャラクターの生徒がいて、それを全部理解しなければならない」という話が自分の頭の中に残ってたものの、大学からずうっと数学ばかりやっていて、教員としてそれが出来るのかどうか不安になり、いろいろな人間を観察し触れてみたいという動機から、それまでにも興味があったニュージーランドへ、大学院を休学して9か月間語学留学もしました。国籍で偏見を持たずに、一人一人の接してみようと思ったものの、やはり育った文化の影響はものすごく大きい、ということも知りました。わざわざ外国まで来ているのに、おおよそ勉強しようという意志を見せないツワモノもいました。片や、笑顔で会話をしていながらその裏には学びの気持ちが前面に出ているような人もいました。机上の勉強だけが勉強ではないことを学びました。あまり敬語のない英語ですが、会話の様子から、ヘンな意味での上下関係がなくても、お互い尊重し合っているのが伝わってきて、目で会話をするということも学びました。この9か月は、今でも私の人生の財産です。復学後は、大学院で作成していた論文のテーマを、ニュージーランドの数学教育を盛り込むというところにまで私に影響を与えました。

大学院修了後から15年間、母校で数学教師として働く機会を得て、今に至ります。

教師として働き始めた時と今では、教育に対する考え方もガラッと変わっています。自分としてはそれが自分の成長の表れであると信じたいところですが。その辺の考え方は、本ホームページの他の部分をお読みください。

今回諸事情があって、正社員を辞すこととなり、できた時間を使って、このような動画配信教室の開設をしてみよう、ということになりました。これまでの感じたことや経験をすべて出そうと思っております。

​長文乱文お読みいただきありがとうございました。

​履歴

​井上 伸也 (いのうえ のぶや)

1982年

​新潟市生まれ

2002-2006

東京理科大学理学部第一部数学科 (卒業)

2006-2008

東京理科大学大学院理学研究科理数教育専攻 (修了)

2008-現在

新潟明訓高等学校 (常勤講師 → 教諭(13年) → 非常勤講師)

2024-現在

​医学部予備校メディセンス (講師)

2020-2022

​実用数学技能検定 準1級 3年連続合格

2023

統計検定 2級 合格

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